日本の各地でぶどうが栽培されている。
生食用品種としては、皮ごと食べられる緑黄色系の「シャインマスカット」、黒色系の「巨峰」、「ピオーネ」、赤系の「デラウェア」などがよく知られている。
近年では、各地で新品種の開発に取り組んでおり、限定された地域のみで栽培するブランド品種としての栽培も進められている。基本的な栽培管理としては、収穫後の施肥、剪定、 新梢管理、房づくり・摘房・摘粒・カサ・袋かけ、病害虫防除などの作業をきめ細かく行っている。
近年、降雨や温暖化などがぶどうに与える悪影響を減らすため、雨よけ施設の設置や早期のカサかけなどを行う農家も多くなっている。
市場を通じた国内流通においては、一般的には生産者が収穫した後、等級に分けて箱詰めし選果所に出荷、検査を経て市場に送られ、仲卸業者から小売業者にわたり消費者に届くことになる。
一方、輸出を主な目的として栽培することは少なく、国内流通用と輸出用との栽培・流通の区分はないのが実情である。
本マニュアルでの説明事項は、主に山梨県における対応を中心に整理しているので、各県によって作業の内容は異なることを了承されたい。
なお、栽培技術面を中心に、山梨県果樹園芸会発行「葡萄の郷から～おいしいブドウのできるまで～」を参考とした。